いまどきの睡眠薬は安全になった?いえ、それは違うと思います。
ちまたには、睡眠薬の安全性を謳うサイトがたくさんあります。
「いまの睡眠薬はむかしの睡眠薬とちがって安全だ。」
という人もいます。
いまどきの最新型睡眠薬というと、非ベンゾジアゼピン系というのですが、たしかにこれは以前のバルビツール酸系やベンゾジアゼピン系のものよりは安全になっているようです。
しかし、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のなかで一番処方が多いと思われるゾルピデム(日本商品名マイスリー、米国商品名アンビエン)は使用開始されてから30年もたっていないのです。
かつて、ベンゾジアゼピン系睡眠薬も、比較的安全だと言われていた時代がありました。
ベンゾジアゼピン系というと、ハルシオンとかテバスが有名で、どちらも非常に多くの人が利用しました。
結果、どうなったでしょうか?
深刻な睡眠薬依存症問題を引き起こしたのです。
また、フルニトラゼパムという中時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬は娯楽利用も含めて非常に多くの乱用を生み、自殺やデートレイプなどにも利用されるなど多くの問題が発生しました。
「ベンゾジアゼピンなら安全」などというのは大きな間違いだったことが明らかになっています。
いま、「非ベンゾジアゼピンなら安全」と言われても信じられますか?
じっさい、先ほども書いた非ベンゾジアゼピン系で一番メジャーな存在であるゾルピデムですが、アメリカでは深刻な問題となってきているように感じます。
アメリカでは商品名アンビエンという名前で販売されているそうなのですが、成人の9割以上がこのアンビエンを利用しているのだというのです。
どう考えても処方しすぎです・・・
ちなみに、ゾルピデム酒石酸塩錠は日本ではマイスリーという商品名で売られていますが、
ゾルピデム(マイスリー)の副作用として夢遊行動や幻覚、めまい、昼間の眠気などが報告されているとのことです。
ちなみに販売元のサノフィ社によれば夢遊病の確率は1000人に1人以下と言っていますが・・・1000人に1人もいたら十分高くありませんか?危険ですよ?
またWikipediaによると、台湾のデータではゾルピデムの服用で脳卒中リスクが1.37倍高まることが発見され、急性心筋梗塞のリスクが1.33倍、ガンの発生確率も1.68倍高まったとのことです。
また、アメリカ食品医薬品局FDAのデータによると、ゾルピデムの服用で殺人や暴力などの他害行為の発生も6.7倍と高くなっています。
これだけのデータがあっても、非ベンゾジアゼピンなら安全、安心などと言えますか?
たしかに、どうしても酷い状態の時に睡眠薬に頼らざるを得ないというのはあるでしょう。
でも重要なのは、睡眠薬に頼って目先の生活のリズムを無理に整えることよりも、睡眠の質を悪化させている根本原因を取り除くことだと思います。
睡眠の質を悪化させている根本原因を取り除かずに、だらだらと睡眠薬に頼るなんて・・・
安全なくすりだよと言われて、それを信じて利用しているのでしょうが・・・
個人的には、非常に危険なことなんじゃない?って思います。
睡眠薬の処方を受けている人が身近にいました。
話を聞くとと、医師は言われるがままにポンポンと薬をくれたそうです。
彼は、睡眠剤を使い始める前とは別人のようになっていきました。
すべてがすべて、睡眠薬のせいじゃなかったかもしれません。
生活がハードだったのかもしれないし、ストレスのせいかもしれません。
でも、睡眠薬を使っても何も解決しなかったのは確かです。
彼は、仕事もやめてしまい、ネットでの連絡も経ってしまいました。
人と会うこともやめてしまいました。
たしかに、彼はそれなりにいろいろと精神的に堪えることが重なっていたのだと思います。
話は色々聞いてましたし、気持ちはわかります。
ですから、睡眠障害の改善のために、短期的に睡眠薬を使おうと思ったのもわかります。
ですが、医師がちゃんとその不安を根本から取り除こうとせずに、しっかりと話をせずに、患者の回転率を重視して睡眠薬の処方箋を乱発したのは絶対に酷い。
自分は、彼のような人を一人でも減らしたいと思っています。
なるべく薬に頼らない、生活改善のための方法があると思います。
自分も軽度の睡眠障害でしたが、それを克服できました。睡眠薬に頼らずに。
そういった経験から、いろいろと書いていきたいと思っています。