ベゲタミンAなき今、最強の睡眠薬は何か?

ベゲタミンA禁止後、最強の睡眠薬は?

 

最強の睡眠薬・飲む拘束衣ベゲタミンA

2016年12月31日、塩野義製薬はベゲタミンA,Bの供給を停止しました。

このベゲタミンA、かつては「飲む拘束衣」とも呼ばれるほど凄まじい睡眠薬で、そのあまりの効果の強烈さと副作用の強さから多方面からの非難を浴び、2016年いっぱいを持って販売停止とされたのでした。

ベゲタミンAの副作用がどの程度強かったかというと、まず不審死事件発生時に検視をすると多くの場合ベゲタミンAが検出される。

オーバードース(過剰摂取、過量服薬)時の致死性については、ベゲタミンAは2番目に高い睡眠薬であることが知られており

(たしか1位はペントバルビタールカルシウム錠・ラボナだったと思われる、要確認)

ベゲタミンAは効果も最強の睡眠薬だった一方、副作用も最強クラスの劇薬だったため、世界で唯一日本でしか流通していなかったという代物です。

そんな最強の睡眠薬と言われた劇薬ベゲタミンAが外来患者にも処方されていることには、学会内外、大衆向け週刊誌なども批判記事を載せるなどのキャンペーンを張りました。

結果、塩野義製薬もとうとう折れて販売停止になったわけです。

なお、一応書いておくと、学会は外来患者にベゲタミンAを処方すべきでないと言っていました。しかし、この業界には悪い医者もいるわけです。そんなの無視してベゲタミンAを横流し的に処方するようなのもいました。

ヤクザが医療法人乗っ取ったりする事件がたまにありますが、あれはまさにそういうことなんです。禁止しなければ、悪い奴らは必ず制度の抜け穴を使って稼ごうとするんです。

 

 

 

ベゲタミンAなき今、最強の睡眠薬は?

とりあえず、ベゲタミンAはもはや供給停止で入手不可能です。

では現在、日本で入手可能な最強クラスの睡眠薬はなにでしょうか?

とりあえずここでは、実際に入手できるかどうかという点を全く無視して、その薬理作用の強さなどからみて、いくつか挙げてみたいと思います。

 

 

最強の睡眠薬候補1~ラボナ錠(ペントバルビタール、ネンブタール)

まず最初に、最強の睡眠薬候補として考えられるのは、ベゲタミンAと同様にバルビツール酸系睡眠薬であるラボナ(ペントバルビタール)です。

この睡眠薬も日本うつ病学会などから極力処方を回避するよう指示されているもので、ほとんど利用されることのないものです。

過量服薬で死亡率が1位の睡眠薬でもあり、自殺の恐れのある人物には絶対に処方しては行けない薬であります。

ラボナ(ペントバルビタール、ネンブタール)は効果が絶大である反面、依存症など副作用も半端でなく強く、また慢性使用によって容易に耐性を生じて却って不眠症が悪化することもあり、基本的には処方されることがない薬です。

なおアメリカでは、ラボナ(ペントバルビタール、ネンブタール)は動物を安楽死させるためにも使われているということです。

 

 

 

最強の睡眠薬候補2~イソミタール(アモバルビタール、アミタール)

イソミタール(アモバルビタール、アミタール)もフェノバルビタールやペントバルビタール同様、バルビツール酸系睡眠薬です。

イソミタール(アモバルビタール、アミタール)は最高血中濃度到達時間が2~4時間、半減期は16~24時間とやや長い、中間時間作用型です。

イソミタールは脳全体の神経活動を抑える働きがあり、レム睡眠を抑える効果が強いことも知られています。

これにより悪夢の発生なども抑えられるといい、かつては頻繁に利用されてきました。

しかしバルビツール酸系睡眠薬に共通していえることですが、副作用が非常に強い。

なかでも連用による依存症の発生は多く、現在では利用されることがほとんどない睡眠薬となっています。

 

最強の睡眠薬候補2-B~イソブロ~イソミタール(アモバルビタール、アミタール) + ブロムワレリル尿素(ブロバリン)

最強の睡眠薬候補2にも書いたイソミタール(アモバルビタール、アミタール)ですが、ブロムワレリル尿素(ブロバリン)とあわせた通称イソブロ、イソと呼ばれる粉末状睡眠薬があります。

これも最強クラスの睡眠薬として知られておりますが、ここにあげた他の睡眠薬同様、耐性がつきやすく、副作用も起こりやすくなっています。

致死量も低いため危なっかしくて処方したがる医者はほとんどいないでしょう。

しかし、これしか効かないような酷い睡眠障害の方もいるらしく、いまだに処方されることのある薬です。

 

 

 

最強の睡眠薬候補3~フェノバルビタール

かつて最強と言われたベゲタミンAに使われていた成分のひとつ、フェノバルビタールです。

バルビツール酸系睡眠薬らしく問答無用に危なっかしいクスリであり、これを第一選択にあげることはまずほとんどありえません。

薬物依存症、離脱症状など重篤な副作用に発展することが十分に予想されており、服用時にいっぺんに飲まないか、アルコールなどを好んでいないか、非常に神経を使うクスリです。

 

 

最強の睡眠薬候補3-B~ベゲタミンA~フェノバルビタール、クロルプロマジン、プロメタジン

ぶっちゃけた話、ベゲタミンは現在でも各成分自体は供給されています。

ですので、それらをあわせてベゲタミンAの代わりとして処方されることもあるとかないとか・・・ほんとろくでもない。。。

とりあえず、あまりにも被害が大きい薬です。

完全に排除すべきと思うのですが・・・

 

 

というわけで

最強の睡眠薬はフェノバルビタール、クロルプロマジン、プロメタジンの混合

だと思われます。

元も子もない結論ですが、やはりベゲタミンAが最強なのでしょう。

少なくとも国内で入手可能な範囲では、そういうことだと思います。

 

とりあえず、バルビツール酸系睡眠薬の水準でなければ眠れないという人たちは辛いですね。。。

徐々に他のクスリに換えていってほしいところですが。。。