フルニトラゼパム(サイレース)のアルコールとの併用の危険性は過小評価されている可能性

フルニトラゼパム(サイレース)のアルコールとの併用の危険性は過小評価されている可能性

 

 

フルニトラゼパム(サイレース)とアルコールの同時摂取による危険性

フルニトラゼパム(サイレース)は一般的に手術前や入院時の治療時に利用される睡眠薬ですが、重度の睡眠障害の場合は自宅使用目的でも処方される場合があります。

しかしこうして外用で処方された睡眠薬や抗不安剤などが横流しされ乱用される例が相次いでいます。(産経新聞2015年12月25日)

その場合、多くがアルコールと一緒に飲むなどの乱用行為となっており、そういった利用法が自殺を誘引している事例もあり、非常に危険であると思っています。

個人的に、そうした事態に対しては深く憂慮しており、根本的な部分で制度変更をすべきではないか、と考えています。

 

 

フルニトラゼパム(サイレース)の過量服薬で死亡の危険性

フルニトラゼパム(サイレース)の過量服薬による死亡の危険性はかねてより言われてきました。

たとえばスウェーデンではプロポキシフェンの大量服薬による自殺患者からは、同時にフルニトラゼパム(サイレース)が発見されることが多く

Among fatal poisonings dextropropoxyphene predominates in younger people, antidepressants in the middle aged and sedatives in the elderly.

日本の資料でも、以下の研究でフルニトラゼパムの死亡危険性が指摘されています。

過量服薬による致死性の高い精神科治療薬の同定―東京都監察医務院事例と処方データを用いた症例対照研究―

 

 

 

フルニトラゼパム(サイレース)には致死性の危険性はないはずだが・・・

フルニトラゼパム(サイレース)は治療係数LD50/ED50比が大きく致死性はないとされています。

なのになぜこのような結果になっているのか。

その理由として、薬理的な要因ではなく、昏倒による挫傷、低体温症、のどに舌を詰まらせるなどの窒息が理由としてあげられていますが、よくわからないものも含まれているようです。

フルニトラゼパム(ロヒプノール/サイレース)の致死量ってどのくらい?

 

フルニトラゼパム(サイレース)にはまだわかっていない危険性があるのでは・・・

いまだ脳科学がすべて解明されたわけではありません。

これだけ多くの自殺との関係が示唆されている以上、今まで見えていないものもあるのではないかと疑うべきではないかと思います。

とくにフルニトラゼパム(サイレース)単独での処方はまずありえませんから、ほかの薬との反応の可能性なども含めて、危険性を考えるべきなのではないかと感じます。

とくにフルニトラゼパム(サイレース)とアルコールとの関係は、もっと慎重に考慮されるべきではないかと思います。

 

カート・コバーンはフルニトラゼパム(サイレース)とシャンパンとのカクテルを飲み始めた数週間後に自殺~アルコールとの飲み合わせの危険性

Wikipediaによると、90年代のロックバンド、ニルヴァーナのリーダー、カート・コバーンフルニトラゼパム(サイレース)とシャンパンのカクテルを飲み始めた数週間後に自殺してしまったとのこと。

これまで考えられていた以上に、フルニトラゼパム(サイレース)の危険性・・・というよりアルコールとの飲み合わせの危険性は高い可能性があります。

 

フルニトラゼパム(サイレース)はアルコールとの危険性が高い可能性~少なくとも病院内だけで使うべきでは

フルニトラゼパム(サイレース)はアルコールとの飲み合わせの危険性が桁違いに高いのではないかと思います。

こうした利用をしている患者には精神的にかなりおかしくなっている者が多く、乱用の危険性を認識せずに長期にわたって使用している者も多い可能性があります。

また、フルニトラゼパム(サイレース)は半減期がやや長いですから、体内の成分が抜けきらずにアルコールを摂取している可能性もあります。

こうしたリスクも踏まえ、病院内だけでの使用に限定すべきではないかと思います。