アトピー性皮膚炎が防腐剤・添加物パラベン(パラオキシ安息香酸エステル)で悪化する可能性
アトピーは常在菌のバランスが崩れて発症する可能性
米国立アレルギー・感染症研究所の研究によると、アトピー性皮膚炎の発症には皮膚常在菌のバランスが影響している可能性が大きいとのこと。
そのうち、とくにRoseomonas mucosaというグラム陰性菌が減っているとアトピー性皮膚炎を発症しやすくなるとのことです。
皮膚が健康な人はこのR.mucosaという常在菌を多く持っているのですが、皮膚にアトピーなどがある人は、この常在菌が少なく、逆に黄色ブドウ球菌などが多いのだとか。
グラム陰性菌R.mucosaによりアトピーが改善
この研究では、健常者の皮膚からとったR.mucosaを水溶液にいれ、アトピー性皮膚炎患者に霧吹きで吹き付けてみたりしたそうです。
その結果、アトピーの患者の多くが症状改善
ステロイドなどの回数を減らしなが、今では多くが回復にむかっているのだそうです。
常在菌のバランスを壊している防腐剤・添加料のパラベン
しかしながらこのR.mucosa、なかなかにデリケートな細菌で、パラベンというありふれた防腐剤にふれただけで、増殖が妨げられてしまうのだそうです。
ひごろよく使うスキンケア商品、リップクリームなどにもパラベンは利用されており、おもに防腐剤としての役割を期待されています。(口紅などにも)
今までは人体に大きな害はない、とされてきたパラベンですが、研究が進むにつれ、人体を構成する常在菌に害になることがわかってきました。
皮膚の常在菌バランスを壊してアトピーを悪化させるパラベンって?
パラベンはパラオキシ安息香酸エステルの複数種の総称。
おもに防腐剤として使われる製品名を抗菌活性の強さの順にあげると
- パラオキシ安息香酸ベンジル(ベンジルパラベン、benzyl 4-hydroxybenzoate)
- パラオキシ安息香酸ブチル(ブチルパラベン、butyl 4-hydroxybenzoate)
- パラオキシ安息香酸イソブチル(イソブチルパラベン、isobutyl 4-hydroxybenzoate)
- パラオキシ安息香酸プロピル(プロピルパラベン、propyl 4-hydroxybenzoate)
- パラオキシ安息香酸イソプロピル(イソプロピルパラベン、isopropyl 4-hydroxybenzoate)
- パラオキシ安息香酸エチル(エチルパラベン、ethyl 4-hydroxybenzoate)
- パラオキシ安息香酸メチル(メチルパラベン、methyl 4-hydroxybenzoate)
となる。
おもにシャンプー、保湿剤、シェービングジェル、日焼け止め、メイク、歯磨き粉、食品添加物としてしようされます。
保湿剤でアトピー性皮膚炎が悪化する人がいるのは、パラベンが原因かも?
保湿剤やリップクリームなどにも、パラベンは使われています。
皮膚科では保湿の重要性をいろいろと説明されますが、実は保湿は、パラベンによる常在菌の殺菌効果を考えると逆効果になる場合もあるということですね。
保湿をしてアトピーが悪化する人もいますが、パラベンが理由なのだとしたなら、なんか理由がわかる気がしますね。