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デパス(エチゾラム)の作用機序~GABAサプリとの同時摂取は危険?大丈夫?~

デパス(エチゾラム)の作用機序~GABAサプリとの同時摂取は危険?大丈夫?~

 

GABAサプリとデパス(エチゾラム)の飲み合わせは危険?

リラクゼーションサプリとして摂取している方も多いGABAサプリですが、飲み合わせによっては非常に危険である場合があります。

とくにベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬であるデパス(エチゾラム)は効きの強さ、依存しやすさなどの面からも注意が必要であり、GABAサプリとの併用は危険ではないかと個人的に見ています。

今回はデパス(エチゾラム)の作用機序をもとに、このGABAサプリとの関係性を考えていきたいと思います。

 

 

デパス(エチゾラム)の作用機序

デパス(エチゾラム)はチエノトリアゾロジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬です。

チエノトリアゾロジアゼピン系とはいいますが、実際にはベンゾジアゼピン系と同じような作用機序を持っているとされています。

とりあえず、一般的に理解されている範囲で、デパス(エチゾラム)の作用機序について書いていきますが、以下の内容はあくまでもベンゾジアゼピン系を基にした記述であることをお断りしておきます。

 

 

デパス(エチゾラム)の作用機序はベンゾジアゼピン系と同じ

デパス(エチゾラム)の作用機序ですが、とりあえずベンゾジアゼピン系と同じとされていますので、そちらを書きます。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬にはGABAという物質が関わっています。

GABA(gamma-aminobutyric acid:γ-アミノ酪酸)は神経伝達物質のひとつで、主に抑制系として機能しているアミノ酸です。

GABAは脳の神経細胞の活動を抑える役目をもっていますので、抑制性神経伝達物質ともいいます。

(おなじくアミノ酸のひとつグルタミン酸は、逆に興奮性の神経伝達物質です。)

 

 

デパス(エチゾラム)とGABA-A受容体

このGABAが、GABA-A受容体と言われる部分にとりつくと塩素イオン(CL-)が神経細胞のなかに入り込みやすくなります。

CL-チャネルが開いてクロライドイオンの透過性が高まる、などともいいます。

塩素はマイナスイオンですので、神経細胞の電位が抑制されます。

神経細胞はマイナスになると興奮がおさまり、プラスになると興奮します。

塩素イオンによって電位が抑制されることで、興奮状態が収まるということになります。

そして、このGABAがGABA-A受容体にとりつきやすくするのが、ベンゾジアゼピン系睡眠薬やデパス(エチゾラム)などなのです。

ベンゾジアゼピン受容体はGABA受容体と複合化しており、ベンゾジアゼピン受容体を刺激してやると、GABA受容体も刺激されて、そうするとGABAがとりついて、CL-が神経細胞に流れ込む・・・そんな感じです。

 

 

GABAアゴニストとしてのデパス(エチゾラム)

デパス(エチゾラム)など、こういったGABA受容体の作用を刺激させる薬物はGABAアゴニストと呼ばれ、以下のものがそれにあたります。

  • エタノール(酒)
  • ベンゾジアゼピン(とその類似物)
  • 非ベンゾジアゼピン
  • バルビツール酸系
  • γ-ヒドロキシ酪酸

などなど

他にもいろいろありますが、一応。

デパス(エチゾラム)はこういったGABAアゴニストのひとつと言えるわけです。

 

 

デパス(エチゾラム)はGABA-A受容体のω1、ω2どちらにも影響

GABA-A受容体にはω1、ω2受容体があります

ω1受容体は催眠

ω2受容体は抗不安作用、筋弛緩作用

に強く影響します。

一般的には、睡眠薬はω1重視、抗不安薬はω2重視となりますが、デパス(エチゾラム)はこのどちらもが強いのが現実です。

 

 

デパス(エチゾラム)とGABAサプリ

ここで話をデパス(エチゾラム)とGABAサプリの関係に戻します。

じつはGABAなんですが、血液と脳のあいだで物質の移動・交換を制限する血液脳関門をとおりません。

ですので、GABAサプリを飲んだからといって、GABAが脳内に増えるわけではありませんし、このことでデパス(エチゾラム)の効きがよくなるわけではありません。

むしろ、アゴニストのひとつであるエタノール(酒、アルコール)との関係の方があぶない、といえます。

しかし、これはあくまでも現在の医学の常識の範囲であって、じつはあとから「高濃度だとGABAは血液脳関門を通りました」なんてこともありえますので、用心してGABAサプリは飲まないようにした方がいいんじゃないかなぁと個人的には思います。

なんでもそうですが、民間療法的なものはあまり頼らない方がいいです。

また、GABAはN-アセチルセロトニン経由でメラトニンの合成にも関係しているので、概日リズムの変化などにも影響しかねません。

使い方が上手くいっていればいいですが、そうでないといろいろと問題です。

個人的にはやめたほうがいい、と思います。

 

 

デパス(エチゾラム)とGABAサプリの作用機序から結論

結論としては、デパス(エチゾラム)と一緒にGABAサプリを飲むのはやめた方がいいと思います。

GABAサプリにはいろいろとわかっていない部分がありすぎます。

デパス(エチゾラム)の危険性はある程度わかってますが、GABAサプリはわかりません。

ふつうにGABAが多い食物を食べる程度にしておいたほうがいいのではないか。そう思います。