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ブロチゾラム(レンドルミン錠)の効果と副作用、致死量

ブロチゾラム(レンドルミン錠)とは?

ブロチゾラム(レンドルミン錠)とは、チエノトリアゾロジアゼピン系の睡眠薬、および麻酔前投与薬の一種です。

チエノトリアゾロジアゼピン系睡眠薬はベンゾジアゼピン系睡眠薬と同じような作用機序となっており、その効果と副作用などにおいても似たようなものとなっています。

 

ブロチゾラム(レンドルミン錠)の半減期、ピーク時間、最高用量

睡眠薬はピーク時間および半減期までの時間別に、超短期型、短期型、中期型、長期型に分類されますがブロチゾラム(レンドルミン)は、機能としては短時間作用型に分類されます。

商品名 一般名 ピーク時間 半減期 最高用量
超短期
ハルシオン トリアゾラム 1.2 2.9 0.5㎎
アモバン ゾピクロン 1 3.8 10㎎
ルネスタ エスゾピクロン 1 5 3㎎
マイスリー ゾルピデム 0.8 2 10㎎
短期
レンドルミン ブロチゾラム 1.5 7 0.5㎎
リスミー 塩酸リルマザホン 3 10.5 2㎎
デパス エチゾラム 3.3 6.3 3㎎
エバミール/ロラメット ロルメタゼパム 1.5 10 2㎎
中期
ユーロジン エスタゾラム 5 24 4㎎
エリミン ニメタゼパム 3 21 5㎎
サイレース/ロヒプノール フルニトラゼパム 1.5 24 2㎎
ベンザリン/ネルボン ニトラゼパム 2 27 10㎎
長期
ソメリン ハロキサゾラム 5 42 10㎎
ドラール クアゼパム 3.5 36 30㎎
ダルメート/ベノジール フルラゼパム 4.5 23.6 30㎎

 

また、ブロチゾラム(レンドルミン)の最高用量は0.5㎎となっていますが、これはあくまでも麻酔時や、どうしても必要な場合に限られます。

一般的な使用でしたら0.25㎎から始めるのがメインであり、高齢者であれば0.125㎎もしくは使わない、という判断になります。

少量でも非常に強い効果をもたらす、強力な睡眠薬ですので、あまり多くをふくようすることはお勧めできません。

ブロチゾラム(レンドルミン錠)と同様に強力な睡眠薬というとハルシオン(トリアゾラム)などがあたります。

 

 

 

 

ブロチゾラム(レンドルミン錠)の開発元、発売元

ブロチゾラム(レンドルミン)は武田薬品工業が開発、1985年にドイツのベーリンガーインゲルハイムがレンドルミンの商品名でドイツで発売。

日本を始め世界20か国でブロチゾラム(レンドルミン)は販売されており、商品名としては、日本ジェネリックや長生堂製薬、テバ製薬、ニプロファーマなどから成分名のブロチゾラムで販売されており、それぞれブロチゾラム錠「JG」、ブロチゾラム錠「CH」、ブロチゾラム錠「テバ」、ブロチゾラム錠「NP」などとなっています。

また過去にはブロチゾラム(レンドルミン)のほかに後発医薬品としてグッドミン、ゼストロミンなどの名前でかつては販売されていました。

 

 

ブロチゾラム(レンドルミン錠)の副作用~依存性

ブロチゾラム(レンドルミン)は連用によって依存症を引き起こすことが知られており、「向精神薬に関する条約」においてはスケジュールIVに指定されています。

また、日本でも依存性、乱用リスクの非常に高い薬品とされており、麻薬及び向精神薬取締法の第三種向精神薬に指定され、また、薬機法の習慣性医薬品にも指定されています。

 

 

 

ブロチゾラム(レンドルミン錠)のおもな副作用

 

ブロチゾラム(レンドルミン)はベンゾジアゼピン系によく似た構造を持っており、ベンゾジアゼピン系と副作用、離脱症状が似ています。

おもなブロチゾラム(レンドルミン)の副作用としては、症例の多い順に

残眠感、眠気、ふらつき、頭の重さ、だるさ、めまい、頭痛、倦怠感、肝機能障害、黄疸などとなっています。

ブロチゾラム(レンドルミン)にはほかにも、奇異反応として錯乱、興奮が起こる可能性も指摘されています。

また、先ほども書きました通り、連用により依存症を生じさせることが知られており、用量と試用期間に関しては非常に厳格な管理が必要とされています。決して自己判断で使用せず、医師の指示に従ってしようするようにしてください。

また、急激な量の減少によって離脱症状を引き起こす可能性がありますので、徐々に減量することが求められており、この点からも医師の厳格な管理が必要となっています。

なお、急性狭隅角緑内障、重症筋無力症へは禁忌となっています。肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期で呼吸困難な場合も原則禁忌となっています。

 

ブロチゾラム(レンドルミン錠)の副作用~眠気

ブロチゾラム(レンドルミン)には朝、起床後にも眠気をもたらす副作用があります。

催眠薬ですから眠気が出るのはあたりまえなのですが、翌朝にも眠気が残ることで生産性が落ちたり、事故のリスクが高まったりしてしまうことが懸念されます。

ブロチゾラム(レンドルミン)は基本的に短時間で効果のピークと半減期を迎えますから翌朝への眠気の持ち越しは少ないはずなのですが、まったくないというわけにはいかないのが、睡眠薬の難しい所です。

ブロチゾラム(レンドルミン)を服用したことで翌日に眠気をもよおす場合には、無理に活動したりせず、いったん軽い昼寝などを挟むなどして眠気をとるようにしてください。

眠気のあるままで自動車の運転、機械の操作などの危険作業をしますと非常に危険です。

自分だけでなく、他人も危険に巻き込むことになりかねない、という意識を持ってくださいますようお願いいたします。

 

 

ブロチゾラム(レンドルミン錠)の副作用~ふらつき

ブロチゾラム(レンドルミン)の副作用の症例順2つ目は「ふらつき」です。

ブロチゾラム(レンドルミン)は神経細胞のGABA-A受容体と複合的に結びついているベンゾジアゼピン受容体を占有します。

このときに、ブロチゾラム(レンドルミン)は鎮静系のω1だけでなく、筋弛緩作用をつかさどるω2のサブユニットも占めてしまうことになります。

(このあたりがベンゾジアゼピン系睡眠薬の難しい所です。非ベンゾジアゼピンでは、このあたりの作用機序が若干異なっています。)

このことにより、飲んだあとにふらつきを覚えるだけでなく、薬が少なからず体内に残っている段階では、ふらつきをおぼえることが増えてしまいます。

非常に危険であり、できれば危険な作業、運転などはしないことをおすすめします。

とはいっても、社会生活上、車の運転などもしなくてはならない機会もあるでしょうから、どうしてもの時はしかたないと思います。

ただ、今までと違ったクルマを運転するなど、新たなことをするときには、なるべくブロチゾラム(レンドルミン)の使用から十分な時間をあけて行った方が良いと思います。

 

 

ブロチゾラム(レンドルミン)の副作用~肝機能障害

ブロチゾラム(レンドルミン)に限りませんが、内服薬はほぼすべて肝臓の代謝機能に頼っています。

ですので、クスリを飲み続けていれば肝臓の機能は低下します。

肝臓の機能が低下すると肝炎⇒肝硬変⇒肝癌というルートを辿って死に至ります。

一般的に睡眠薬をちょっと飲んだ程度で肝炎になるということはありませんが、他のクスリとあわせて大量に処方されていたりする方などでは肝機能の数値の変化には注意が必要になってきます。

実際に肝炎にまでなる前に投薬のペースを変えたりなどいろいろと手を打つことになりますが、肝機能が既に落ちていたり、代謝機能がおちていれば、対応が難しい場合もあります。

現在の医学では肝炎を治す薬はまだ開発途上であり、当面の間は運動療法などと合わせて対応していく必要があります。

 

 

 

ブロチゾラム(レンドルミン)の副作用~高齢者における「せん妄」

ブロチゾラム(レンドルミン)に限りませんが、睡眠薬、とくにベンゾジアゼピン系の睡眠薬には、高齢者のせん妄を引き起こすリスクがあります。

せん妄というのは、簡単にいってしまうと高齢者に多く発症しがちな意識障害です。

錯乱して暴れ出す、意味不明なことを口走る、攻撃的になる、妄想や幻覚幻聴で語りだすなどの症状を呈し、多くの場合、一過性(数時間~数日、長くて数週間程度)で終わるようなものです。

ブロチゾラム(レンドルミン)などベンゾジアゼピン系睡眠薬ではせん妄を起こすリスクが高まり、おおよそ数時間から数日程度、落ち着かない状態になる場合があります。

ですので、本来であれば高齢者にはベンゾジアゼピン系睡眠薬を使うべきではありませんが、以前からベンゾジアゼピン系睡眠薬を利用してきた患者さんの中には、特定のクスリを希望する方もいます。

えてして非常に強い睡眠薬を求めてくるわけですが、そこまで強いものを使いたくない場合などは、効果はありつつ、ある程度せん妄リスクなども許せる程度の睡眠薬を処方することになります。

ブロチゾラム(レンドルミン)はそういう意味で使いやすい薬と言えると思います。

 

 

 

ブロチゾラム(レンドルミン錠)の先発品、後発品、ジェネリックメーカー

ブロチゾラム(レンドルミン錠)は先発品として

  • 日本ベーリンガーインゲルハイム レンドルミンD錠0.25㎎
  • 日本ベーリンガーインゲルハイム レンドルミン錠0.25㎎

後発品として

  • 田辺三菱製薬 グッドミン錠0.25㎎
  • 武田テバ薬品 ソレントミン錠0.25㎎
  • アルフレッサファーマ ノクスタール錠0.25㎎

ジェネリック薬として、

  • サンノーバ ブロチゾラムM錠
  • 大興製薬 ブロチゾラムOD錠0.25mg「JG」
  • 共和薬品 ブロチゾラムOD錠0.25mg「アメル」
  • メディサ新薬 ブロチゾラムOD錠0.25mg「サワイ」
  • 武田テバファーマ ブロチゾラムOD錠0.25mg「テバ」
  • アルフレッサ ファーマ ブロチゾラム錠0.25mg「AFP」
  • 大興製薬 ブロチゾラム錠0.25mg「JG」
  • 長生堂製薬 ブロチゾラム錠0.25mg「CH」
  • ニプロ ブロチゾラム錠0.25mg「NP」
  • 辰巳化学 ブロチゾラム錠0.25mg「TCK」
  • 陽進堂 ブロチゾラム錠0.25mg「YD」
  • 共和薬品 ブロチゾラム錠0.25mg「アメル」
  • 大原薬品 ブロチゾラム錠0.25mg「オーハラ」
  • メディサ新薬 ブロチゾラム錠0.25mg「サワイ」
  • 武田テバファーマ ブロチゾラム錠0.25mg「テバ」
  • 東和薬品 ブロチゾラム錠0.25mg「トーワ」
  • 田辺三菱製薬 ブロチゾラム錠0.25mg「ヨシトミ」
  • 日医工 ブロチゾラム錠0.25mg「日医工」
  • 日新製薬 ブロチゾラム錠0.25mg「日新」
  • ニプロ ブロチゾラム錠0.125mg「NP」

などが発売されています。

薬価は先発薬のニホンベーリンガーインゲルハイム レンドルミンD錠0.25mgとレンドルミン錠0.25mgが22.5円

他は0.25㎎あたり9.9円となっています。(2019年現在)

 

 

ブロチゾラム(レンドルミン錠)の剤形~ブロチゾラムOD錠、D錠、M錠

 

ブロチゾラム(レンドルミン錠)にはOD錠、D錠、M錠の違いがあります。

それぞれの特徴は

  • OD錠・・・Orally Disintegrating Tablet(口腔内崩壊錠)、口の中で粉状になるため水なしでも飲める
  • D錠・・・Disintegrating Tablet(速崩錠)、少量の水で溶かせる
  • M錠・・・Mold(湿製錠)、水で飲みこむ

となっています。

それぞれ少ない水で飲みこめるようにデザインされていますが、ブロチゾラム(レンドルミン錠)の味に慣れない方は水で飲みこんだ方がいいと思います。

粉状になると気分が悪く感じる方もいますので。

 

 

ブロチゾラム(レンドルミン錠)の服用方法

上記のように、ブロチゾラム(レンドルミン錠)は少量の水で飲むことができます。

用法は1日1回就寝直前

用量は0.25㎎

最大で0.5㎎ですが、これはあくまでも特殊な場合に限られます。

なお、高齢者では0.125㎎、もしくは使わないという判断になります。

ブロチゾラム(レンドルミン錠)は非常に強い効果を発揮する睡眠薬ですので、睡眠直前に飲むようにします。

なお、空腹時の服用が推奨されています。

 

 

ブロチゾラム(レンドルミン錠)の入眠効果・半減期・最高血中濃度到達時間

 

入眠効果は非常に強く、最高血中濃度到達時間は1.5時間となっていますが、立ち上がりは非常に速いです。

半減期は7時間となっており、ちょうど翌日に響かない程度の時間で代謝されて消えていってもらえます。(しかしこれは一応の目安であり、個人差があります)

強く翌日に残るようであれば用量を0.125㎎に変更するか、他剤に変更するようにします。