パキシル(パロキセチン)の副作用と対策~便秘~解消のための方法は?
パキシル(パロキセチン)とは?
パキシル(パロキセチン)はグラクソ・スミスクラインが開発したSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に分類される抗うつ薬です。
パキシル(パロキセチン)は、脳内セロトニン神経系でセロトニンの再取り込みを阻害。
脳内におけるセロトニン濃度を高め、抗不安作用と抗うつ作用を促すお薬です。
パキシル(パロキセチン)によって再取り込みが阻害されるセロトニンは別名ハッピーホルモン
パキシル(パロキセチン)はセロトニンの再取り込みを阻害するとかきましたが、このセロトニンという物質こそ、別名ハッピーホルモンと呼ばれる幸せを感じるホルモンなのです。
セロトニンはストレスなどを感じさせにくくする働きがあり、不安、抑うつなどの症状を和らげる効果があります。
これを脳内になるべく多く保つことが、パキシル(パロキセチン)という薬の役目なわけです。
セロトニンの生成の90%が小腸で行われる
ところで、このセロトニンですが、じつは人体の中で一番多く産生しているのが小腸なのです。
もっと詳しく言えば腸クロム親和性細胞、腸クロム親和性細胞様細胞というのですが、それはここでは置いておくとして、大雑把に小腸として捉えていただければ大丈夫です。
普段は、このセロトニンは小腸で産生され、腸の蠕動(ぜんどう)を促しています。
蠕動というのは、消化中の食べ物やうんちを肛門のほうに向けて送り出す運動のことです。
私たち人間の身体は無意識のうちに勝手に消化してくれますが、それはこの蠕動運動と、酵素、細菌叢などのおかげです。
そしてその蠕動運動を促しているのがセロトニンということになります。
なので、セロトニンが多く分泌されると下痢っぽくなり、逆にセロトニンが少なく分泌されると便秘ぎみになる、と言われています。
パキシル(パロキセチン)はセロトニンの再取り込みを阻害⇒腸の働きに影響へ
ここで、パキシル(パロキセチン)の話に戻ります。
さきほど、パキシル(パロキセチン)はセロトニンの再取り込みを阻害すると書きましたが、この阻害により、セロトニンの産生を担っている小腸などにも影響が及ぶことになります。
ここら辺の身体の仕組みはまだわかっていない部分も多いのです。
セロトニンの再取り込みが阻害されて脳内の濃度が高くなると、十分セロトニンが足りていると身体が感じて、小腸ではセロトニンを産生しないように脳がメッセージを発している・・・可能性があります。
とりあえずそんな感じで、腸の動きが抑えられると、次に起きるのは・・・便秘ということになります。
パキシル(パロキセチン)で便秘になる副作用・・・
パキシル(パロキセチン)を飲んでいると便秘になりやすいのは、上記の要素が影響していると思われます。
また逆に、蠕動運動が多くなり過ぎて下痢になる人もいます。
まぁ、要するにパキシル(パロキセチン)はセロトニン再取り込みに影響することで、小腸の活動が変わってしまう、それが問題なわけです。
パキシル(パロキセチン)を飲んで便秘になった場合の対処法・解消法
パキシル(パロキセチン)を服用して便秘になるのは、特に飲みはじめが多いと思います。
飲みはじめは身体も対応ができておらず、自律神経が混乱してしまうのでしょう。
そうした場合の対処法としては、
- 胃腸薬を飲み合わせる
- 服用回数をわける
- あきらめて身体が慣れるまで待つ
- 最初から多く飲まないようにする
- 他の抗うつ剤に変更
などの対応をとればいいと思います。
パキシル(パロキセチン)における便秘は大したことがない・・・
ぶっちゃけ、パキシル(パロキセチン)で便秘になろうが、それは抗うつ剤の副作用全体からみれば大したものではありません。
その程度のことで済んでいるなら、ある程度あきらめてしまってパキシル(パロキセチン)の使用を継続したらいいと思います。
他の抗うつ剤に変更してより大きな副作用を受けるよりは、諦めるのも手だと個人的には思います。