アトピーは化粧品のパラベン(防腐剤)で悪化する!?~パラオキシ安息香酸エステル~
近年の研究結果で、化粧水やクリームなどに含まれるパラベンがアレルギー、アトピー性皮膚炎を引き起こすことがわかってきました。
アトピーの原因に新事実!化粧品や食品に使われる防腐剤パラベンが影響している可能性
化粧品メーカーのなかにはご丁寧に
「パラベンは安全です」
「パラベンは肌に害を与えません」
などとホームページで解説しているところもありますが、本当にそれを信じていいんでしょうか?
化粧品にパラベンを配合する目的~アトピーの原因と指摘されてもやめられない理由~
なぜ化粧品メーカーは、アトピーの原因といわれているパラベンを化粧品に添加するのでしょうか?
それは、簡単に言ってしまうと
「腐らないため」「安定化させるため」
ということになります。
化粧品は基本的に常温で保存されます。
常温で生クリームや食品を置いておけば、普通は腐りますよね?
化粧品も同じくで、(何も保存料を入れなければ)常温で放置していれば腐ってしまうのです。
化粧品が工場で作られてから、店頭にならび、消費者がそれを購入し、使用していくあいだに、長ければ1年以上かかります。
そのあいだ、クリームを腐らせないようにするにはどうしたらいいか・・・
そう、パラベンなどの防腐剤、安定剤を追加するかないのです。
つまり・・・
アトピーの原因と言われても、パラベンを追加しなければ化粧品は腐ってしまう
ということです。
ここらへんは企業側もコストと利益を天秤にかけて、どうすべきかを考えています。
アトピーの人達のために特殊なパラベンフリーな化粧品を売ることもできるでしょうが、そうなれば生産管理コストはべらぼうに高くなります。
一回使い切りパッケージにしたり、無菌充填工場を作ったり、定温物流で商品を輸送し、店頭で販売するときも特別に低温にした場所で売らねばなりません。
そうしたコストを追加したら、たぶん化粧品は今の数倍の値段になるでしょう。
だから、
パラベン入りの化粧品がアトピーの原因になる
と言われても今の商売をやめるわけにはいかないのです。
化粧品メーカーはパラベンをなくす代わりに、
「パラベンは安全な物質だ」
「パラベンには殺菌作用はなく静菌作用があるだけ」
などとパラベンの安全性を必死に訴え始めました。
確かにその通り、パラベンは基本的には安全な成分ですし、殺菌作用はありません。
ですが、それでもなおパラベンで問題が発生することを多くの研究が報告しています。
パラベンの持つ静菌作用こそがアトピーの原因だと指摘されていることに問題性があります。
化粧品に含まれるパラベンがアトピーの原因になる
という報告は、パラベンによって肌の常在細菌のバランスが崩れることで、炎症を起こしやすい状態になってしまうこと、皮膚のバリアがなくなることが原因とされています。
けっして殺菌作用がどうのこうのというわけではないのですが、化粧品メーカーはそういった研究結果はみせないようにして、パラベン擁護を繰り返しています。
デリケートな肌向け化粧品を販売しているはずの資生堂dプログラムシリーズですら、防腐剤は悪くないかのように書いています。
はっきり言って、化粧品が売れれば消費者のことなんてどうでもいいんだろうな、と思います。
もっというと、ほとんどの化粧品はパラベンなどの安定剤、防腐剤なしでは成り立ちません。
仮に化粧水だけパラベンフリーであっても、他の乳液やクリームまでパラベンフリーでそろえるというのは難しい。
本質的には、アトピー性皮膚炎の人は化粧をしないのが一番ということになります。
そうなると化粧品メーカーは売上が激減します。
だから今日も、してもしなくて大して意味のないメイク用品を必死に販売しようと頑張るのです。
全てのアトピー患者がパラベンで悪化するわけではない?
もちろん、すべてのアトピー患者の方がパラベンで悪化するというわけではないのは事実です。
そのことを利用して
「パラベンは基本的に安全な成分だ」
と化粧品メーカーは言います。
しかし、多くの人に安全な成分だからといって、一部の人がパラベンで皮膚炎を悪化させているのを無視するのは間違いでしょう。
パラベンの皮膚への塗布をやめて、というか化粧をやめてアトピーが改善した例は数限りなくあります。
このあたり、社会全体でいろいろと考えていかねばならないタイミングなのではないか、と思います。
参考:藤田保健衛生大学医学部皮膚科学教室教授 松永佳世子
特別寄稿 皮膚疾患患者への化粧指導について