ステロイドを塗る時のコツ~顔面のアトピー治療の場合はタクロリムス(プロトピック)も選択肢に
今回は、顔にアトピーがあるときのステロイドの塗り方を書いていきたいと思います。
顔にステロイドを塗る際に注意すること1~利用するステロイドのランクを下げる~
顔にステロイドを塗る時には、通常よりもやや弱めのステロイドを選ぶことが重要です。
たとえば、いつも手や足のアトピー治療に使っているステロイドがフルコートやリンデロンVなど(ステロイドランクでストロング)であるなら、ミディアムクラスのものを使う、と言った感じです。
これは、使う人の症状や、皮膚の性質によっても微妙に異なりますから、自分の身体に合ったものを利用するようにしましょう。
顔にステロイドを塗る際に注意すること2~目や唇の周りなど、特に粘膜の弱い所は避ける~
目や唇などはとても弱い、デリケートな肌になっています。
これらの場所にステロイドを使用すると、一時的に綺麗になるのですが、使用をやめたとたんに、かえって酷い症状になってしまいます。
こういった場所には別のもの、たとえば点眼用のステロイドや、唇用にはアズノール軟膏などの非ステロイド薬などを利用した方がいいと思います。(ここら辺は皮膚科医師と相談してください)
とにかく、弱い皮膚の場所に強い薬を使うのは避けましょう。
顔にステロイドを塗る際に注意すること3~メイクなどをしていない状態で塗ろう~
メイクなどはアトピーを悪化させる最大の要因です。
ぶっちゃけた話、メイクはしない方がいいと思います。
(メイクすることを強いる社会は、アトピー性皮膚炎の患者のことを考えていないと思います)
もしメイクをしているのなら、ステロイドを塗る時にはとりましょう。
しっかり洗って綺麗な状態にしてから、いくらか乾かして、ステロイドを塗りましょう。
そうしないと、メイクの成分を傷口から一緒に皮膚に吸収しかねません。
メイクの成分にもよりますが、金属の粉などが含まれていた場合、それが炎症の原因になる場合もあります。
顔にステロイドを塗る際に注意すること4~プロトピック(タクロリムス)を使用するのも選択肢に
顔のアトピーを治療する場合には、ステロイドを利用するほかにもプロトピック(タクロリムス)などの薬を使うのも選択肢になります。
プロトピックはステロイド外用剤のランクでいうとストロング~ミディアムマイルドあたりの強さと言われており、手足などに使うにはやや弱いのですが、顔に使うにはちょうどいいとされている強さになります。
また、プロトピックは長く使用してもステロイド特有の皮膚の薄くなる症状などがないといわれており、その点でも顔などに使用するには向いていると言われています。
ただ、プロトピックにはプロトピックの難点もありまして、例えば発がん性リスクが少しはあるだとか(通常使用であれば問題ないと言われています)、紫外線にあたるといけないとか、使い始めはひりひりするとか、じゅくじゅくの皮膚には使えないなど、いろいろと制約はあります。
このあたりも含め、皮膚科の医師と相談の上で選択肢の一つとして考慮に入れてみても良いと思います。
顔にステロイドを塗る際に注意すること~寝る時は手袋などでひっかかないように
顔にステロイドを塗ると、どうしても違和感を感じてしまうと思います。
起きているときはそれでも我慢できますが、寝ているとき、無意識にひっかいてしまうこともあると思います。
そういうことにならないよう、手袋をして寝ることをお勧めします。
特に、爪の長い女性はひっかいてしまう確率が高いと思いますから、できるだけ傷がつかないように、軍手のような厚手の手袋をして寝ましょう。
以上、ステロイドを顔に塗る時の注意点などを書いてみました。
なお上記はあくまでも自分の経験上のことを書いたものですので、詳しくは医師と相談して決定してみてください。