【研究】自律神経が肝臓の再生に関係!?脳と肝臓の意外な関係とは?
脳が肝臓の再生に役立っていた?
東北大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科学分野および同大病院糖尿病代謝科の今井淳太准教授、井泉知仁助教、片桐秀樹教授らの研究グループによると、肝臓が障害を受けたさい、脳からの自律神経によって肝臓の再生が促されることを発見したということです。
肝臓がダメージを受けると脳が再生するよう指令
肝臓手術などを受けると急速な肝臓の再生がおき、その後にゆっくり再生されるようになりますが、その理由がなぜであるのかが今回の研究のテーマになっています。
これによると実は肝臓の再生には脳が重要な役割を果たしていたということです。
脳から肝臓への再生情報伝達手段
肝臓が傷ついたときには、脳から肝臓を再生するよう促す信号が迷走神経(腹部に向かう脳神経のこと)を通って肝臓へ届くのだそうです。
そして、迷走神経はアセチルコリンを分泌して肝臓内のマクロファージを刺激
マクロファージはインターロイキン6/IL-6(造血に関係するサイトカイン)の分泌を促します。
そのIL-6が今度は肝臓細胞内のFoxM1経路を活性化するのだそうです。
つまり、マクロファージが非常に重要な役割を担っていることがわかります。
また、この神経信号がない状態でも、FoxM1経路を活性化させれば酷い肝臓障害の生存率を引き上げることに成功したそうです。
なんとなくですが、なぜ運動が肝臓に良いのか、温浴が肝臓に良いとされるのか、整合的な気がします。
肝臓に良い生活というのは、自律神経を維持し、免疫細胞を維持する生活ということでもありそうです。
手術後の問題だけでなく、今後、慢性的な肝臓疾患に対しても、このアプローチからいろいろと見えてくるものがありそうです。