ノロウイルス対策にマイタケが効くことを富山大・中部大・雪国まいたけが発見

乾燥マイタケ5㎎を摂取したマウスはノロウイルスにかかりにくいことを発見

中部大学、富山大学、雪国まいたけなどの研究グループは「マイタケがノロウイルスの感染症対策に有効であること」を発見したということです。

5㎎の乾燥マイタケをマウスに与え、一週間後にそのマウスにノロウイルスを接種。その後もマイタケを食べさせ続けると、糞の中のウイルスが減って腸内のウイルスも早期に消滅したのだということです。

また、マウスの免疫機能が低下すると、ウイルスは増加することも確認できたということです。

なお、マウスで5㎎の乾燥マイタケでノロウイルスに対して効果があったということですが、これは、人間に換算するとだいたい数グラム程度の生マイタケにあたるということです。

この程度であれば普通に毎日食べることもできる量ですから、ノロウイルス対策としては極めて有効な手段ではないか、と期待されています。

毎年この時期になると、介護現場、飲食関連でノロウイルスの集団感染事例が報じられます。

飲食関連であればノロウイルス感染は営業中止措置を下され多大な経済的損失をもたらしますし、

介護業界であれば、ノロウイルスは下手をすれば入所者の命をも奪いかねない恐ろしい感染症です。

これらへの対策が簡単にできるかもしれない、今回の発見。

非常にシンプルながら、その作用メカニズムの解明も含めて注目を集めそうです。

ノロウイルスには有効なワクチンが存在しません。

ひとつには、たくさんの遺伝子型がありすぎてすべてをカバーするワクチンを作ること＆摂取することが無理だということと、すぐにワクチンの効果が切れてしまうことが原因です。

一応、開発はいろいろとされています。

たとえば武田薬品工業はリゴサイトを買収後に同社のもつワクチン技術の研究を引き継ぎました。

しかし、上でも書いたように遺伝子の型が多すぎることから有効性を維持することが難しく、事実上とん挫しているように思います。

こういった有効なワクチンのないノロウイルスが、マイタケを食べるだけで対策できるのだとしたら、本当にすごいことです。

とりあえず、ノロウイルス対策できそうなのは喜ばしいことなのですが、マイタケに今頃になってそんな特殊な用途があることが発見されたということは、人間の体に対してもなにか悪い要素がある可能性もなきにしもあらず・・・

マイタケを食べることによるネガティブな影響があったとしても、そういった研究成果は一般的には発表されません。

出版社バイアスというやつですが、そういったものには注意が必要です。

なんでもそうですが、過ぎたるは及ばざるがごとしです！