高齢者にデパス(エチゾラム)は危険!~徘徊・暴言・暴力・妄想の原因になることも~
今回は抗不安剤・睡眠剤として多く処方されているデパス(エチゾラム)の老人に対する処方について、その危険性を書いていきたいと思います。
まず最初に、デパス(エチゾラム)の簡単な説明から始めます。
デパス(エチゾラム)とは?
デパス(エチゾラム)は、チエノトリアゾロジアゼピン系の睡眠薬・抗不安薬です。
短時間で効いて、しかも短時間で抜けていくので(半減期約6時間)、使いやすい抗不安薬として多用されているのが現実です。
しかし、このデパス(エチゾラム)には非常に厄介な副作用があります。
デパス(エチゾラム)の効果
デパス(エチゾラム)はベンゾジアゼピン系抗不安剤に似た性質を持っており、化学構造も非常によく似ています。
シナプス後細胞側にあるGABAA受容体を活性化することで脳神経の活動全体を抑制的にする効果があり、緊張、不安を一時的に和らげる効果があります。
高齢者にデパス(エチゾラム)を使用することの何が問題か
デパス(エチゾラム)の問題は、その作用までにかかる時間の短さ、抜けていく時間の短さ、緊張・不安を和らげる効果が非常に効果的であることにあります。
作用が速く、抜けていくのも速いとなれば、使用する頻度がふえてしまいます。
しかもその緊張緩和効果はてきめんに出ますから、どうしても(周りの介助者などが)使用したくなってしまうのです。
さらには、高齢者は代謝機能が衰えているため、血中からなかなか抜けていかないという問題も抱えています。
こうした要因から、高齢者は一般的な人々よりも副作用が強く出る傾向にあり、デパス(エチゾラム)の使用にあたっては非常に注意が必要なわけです。
厚生労働省もデパス(エチゾラム)の高齢者への使用には注意喚起
なお、これら高齢者とデパス(エチゾラム)の問題については厚労省からも指針が出されていますが、いまだに老人に対して大量のデパス(エチゾラム)が処方されているのが現実です。
これには、高齢者本人のメリットデメリットではなく、介助者の負担を減らすにはどうしたらいいか、など別の要素が絡んできて処方されることが多いように思われます。
またもう一つ、高齢者特有の問題があります。
いくつもの病院を掛け持ちする高齢者~それぞれでデパス(エチゾラム)などいろいろな抗不安薬を処方される例も
高齢者特有の問題としてあげられるのが、複数の病院を回って治療している、というものです。
自分の飲んでいる薬が何なのかを把握せず、ただ言われるままにいろいろな病院で出された薬を飲んでしまう老人・・・
デパス(エチゾラム)だけでなく別の睡眠薬も飲み合わせしたりなど、危険極まりない行為も見受けられます。
こうした点は早急に改善する必要があるでしょう。
高齢者のなかにはデパス(エチゾラム)をやめて快方に向かう例も
こうしたなか、デパス(エチゾラム)をやめて快方に向かう高齢者も増えています。
最低限の睡眠薬に集約することで状況を改善するということです。
読売が開いている医療情報サイト、ヨミドクター2018年4月26日記事でもそういった内容のしてきがされています。
とりあえず、いま使用している薬がなんであるのか把握して、かかりつけの医師に整理を願うことも必要かもしれません。
気をつけてくださいね。
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