睡眠薬「ハルシオン錠」が効かない?有効成分トリアゾラムの効果と副作用について
睡眠薬ハルシオン錠(有効成分トリアゾラム)はベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は副作用も少なく比較的安全性の高い睡眠薬とされています・・・が、このハルシオン(トリアゾラム)は違います。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬のなかでもハルシオン(トリアゾラム)は催眠効果も高く、超短期でよく効き、翌日への持ち越しが少ないクスリとして不眠症の治療に処方されることの多い睡眠薬となっています。
ただ、同時に非常に依存性が高く、暴力的な問題行動に至るような行為も多く報告されており、日本以外の国では禁止薬物として規制されている国も多い、そんな薬物となっています。
今回はこのハルシオン(トリアゾラム)についてみていきたいと思います。
具体的にハルシオン(トリアゾラム)のどこらへんが優れているのか。
また、副作用が多いといわれているハルシオン(トリアゾラム)ですが、どの程度危険なのか。
ひとつひとつ見ていきましょう。
ハルシオン(トリアゾラム)とは?
ハルシオン(トリアゾラム)とはアメリカのアップジョン社が開発し(のちにファイザーに吸収される)、日本ではファイザーが販売している不眠症治療薬・睡眠薬です。
ハルシオンの有効成分はトリアゾラムであり、ベンゾジアゼピン系睡眠薬となっています。
容量としてはハルシオン錠0.25㎎が販売されており、服用する人物の体重や、期待する睡眠効果の強さによって容量が変更されて処方されます。
ハルシオン(トリアゾラム)の貯蔵方法は室温保存が可能。
また、ハルシオン(トリアゾラム)の使用期限は外箱またはラベルに表示されています。
ハルシオン(トリアゾラム)は強力な睡眠薬
ハルシオン錠(トリアゾラム)はベンゾジアゼピン系睡眠薬の中でも効果が強い睡眠薬として知られています。
手術前、麻酔薬投薬として使用されることもあるほどの薬物であり、かなり強力な睡眠薬となっています。
ハルシオン錠(トリアゾラム)などが含まれる、ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは?
不眠症治療薬・睡眠薬にはいろいろな種類・成分がありますが、ハルシオン錠(トリアゾラム)などはベンゾジアゼピン系睡眠薬と言われるものになります。
ハルシオン錠(トリアゾラム)はそのなかでも、比較的依存性が高いとされる睡眠薬となっています。
ベンゾジアゼピン系(省略してBZD、ベンゾとも)の初めてのクスリは1955年に発見されました。
その後、1963年にこれを改良した製品が販売され、これまで多数処方されてきた睡眠薬の代表的な製品群となっています。
なお、ベンゾジアゼピン系睡眠薬が販売される前はバルビツール酸系睡眠薬というものが一般的でしたが、これはいろいろと問題を抱えていました。
バルビツール酸系睡眠薬は効果が非常に強いのですが、精神異常に至ったり、扱い方を誤ると死んでしまうこともあるほど難しいクスリでした。
この点、ベンゾジアゼピン系はかなり改善されており、比較的安全に使用できる睡眠薬となっています。
なお、現在ではベンゾジアゼピン系睡眠薬よりもさらに安全性を高めた非ベンゾジアゼピン系睡眠薬なども出てきています。
ここでは深くふれませんが、もしよろしければ他のページで紹介していますのでご覧になってみてください。
ハルシオン錠(トリアゾラム)はベンゾジアゼピン系でもっとも強力な睡眠薬?
ベンゾジアゼピン系睡眠薬のなかでも、ハルシオン錠(トリアゾラム)はもっとも強力な睡眠薬であるとされています。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の処方は一般的に、他の睡眠薬では効かない重度の睡眠障害を短期的に治療する目的で用いられます。
また入院患者など、管理がしやすい患者に投与されることが一般的とされています。(ただ実際には、そういった慎重な処方でないものも多く見受けられるようです。)
ハルシオン錠(トリアゾラム)は、投与量ベースでの睡眠薬の強さでみると、ベンゾジアゼピン系最強であると言われています。
ハルシオン錠(トリアゾラム)はCP(クロルプロマジン)換算で0.25の強さ
ブロムワレリル尿素 | ブロバリン | 500 |
アモバルビタール | イソミタール | 50 |
ペントバルビタール | ラボナ | 50 |
クアゼパム | ドラール | 15 |
フェノバルビタール | フェノバール | 15 |
ゾルピデム | マイスリー | 10 |
ゾピクロン | アモバン | 7.5 |
ニトラゼパム | ベンザリン/ネルボン | 5 |
ニメタゼパム | エリミン | 5 |
ハロキサゾラム | ソメリン | 5 |
エスタゾラム | ユーロジン | 2 |
リルマザホン | リスミー | 2 |
フルニトラゼパム | ロヒプノール/サイレース | 1 |
ロルメタゼパム | エバミール/ロラメット | 1 |
トリアゾラム | ハルシオン | 0.25 |
ブロチゾラム | レンドルミン | 0.25 |
ハルシオン錠(トリアゾラム)の半減期
通常、ハルシオン錠(トリアゾラム)を服用するとすぐに催眠効果があらわれます。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の最大血中濃度に到達する時間は約1.2時間とされています。
その後、血中濃度は徐々に下がっていきますが、ハルシオン錠(トリアゾラム)は半減期がかなり短く、約2.9時間で半減期になるといわれています。
つまり、かなり短時間で血液中のハルシオン(トリアゾラム)は消えることになります。
ハルシオン錠(トリアゾラム)を服用後はすぐにベッドへ
上記の件とも関係するのですが、ハルシオン錠(トリアゾラム)を服用したあと数分程度で急激に眠気が襲ってきます。
これは他のベンゾジアゼピン系睡眠薬よりもかなり早いです。
つまり、ハルシオン錠(トリアゾラム)を服用後はベッドの近くにすぐに移動し、しっかりと寝る準備をするようにしていないと危険です。できれば、ベッドに腰かけてから飲むようにする方が好ましいです。
ハルシオン錠(トリアゾラム)はとても素早く効果が出てきます。
飲んだ後でなにか行動しなければいけないことが見つかっても、それは起きた後に回した方がいいでしょう。
さもないと、非常に危険です。
またもちろんですが、ハルシオン錠(トリアゾラム)を飲んでから自動車の運転、荷物を運ぶなどの作業、階段の上り下りなどは絶対にしないようにしましょう。とても危険です。
自分が危険というだけでなく、他人を傷つけてしまう可能性もあります。実際に、睡眠薬を服用後に自動車を運転して重過失致死に問われた例もあります。気を付けましょう。
ハルシオン錠(トリアゾラム)は超短時間型の睡眠薬
睡眠薬は、その作用時間の違いから超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型に分けることができます。
超短時間型は半減期が2~4時間
短時間型は半減期が6~12時間
中時間型は半減期が12~24時間
長時間型は半減期が24時間以上
となっています。
このなかで、ハルシオン錠(トリアゾラム)は超短時間型の睡眠薬、2~4時間の半減期の睡眠薬ということになります。(先ほども書いた通り、ハルシオン錠(トリアゾラム)の半減期は3時間弱です。)
ハルシオン錠(トリアゾラム)は効果が出てくるまでの時間が短く翌日に影響が残らないため、短い時間しか眠る時間を確保できない人に最適。
そのことを理由にして処方をする医師も多いように感じます。
効果の強さは処方する量で決まるため、まずは少量のハルシオン錠(トリアゾラム)から始めることが多いと思います。
ハルシオン錠(トリアゾラム)など超短時間型睡眠薬の正しい使い方
上記のように睡眠薬にはその効果の出現時間と効果持続時間でいろいろな種類があります。
ハルシオン錠(トリアゾラム)は超短時間型ですので、基本的には
短い時間しかとることができない患者さんに多く処方されることになると思います。
ここら辺は医師の先生としっかり相談の上、自分の症状を伝えて処方してもらうようにしましょう。
そして、医師の先生のいうことはしっかり守り、定められた用法、用量の通りにハルシオン錠(トリアゾラム)を服用することが必要です。
ハルシオン錠(トリアゾラム)は決して自己判断で服用をやめようとせず、医師の指示のとおりにするようにしてください。
ハルシオン錠(トリアゾラム)は急にやめようとすると、逆に症状が悪化したり、不安な気分が襲ってきたりすることがあります。
医師の指示に従って、徐々に量を減らすようにしましょう。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の副作用
ハルシオン錠(トリアゾラム)はベンゾジアゼピン系睡眠薬のなかでも比較的危険な睡眠薬と言われています。
副作用は当然のことながら存在します。
まず、さきほども書きました通り、ハルシオン錠(トリアゾラム)の半減期は約3時間弱と短いです。
このことから、次の日にの朝、ハルシオン錠(トリアゾラム)が残ることはあまりありません。
ですので、長期連用に伴う副作用はあまりないと思われがちですが、まったくの逆です。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の副作用~健忘、物忘れ
ハルシオン錠(トリアゾラム)の服用で一番よくあるのが、健忘です。
ハルシオン錠(トリアゾラム)は急激な睡眠に落ちやすく、前後の記憶が消えやすいと言われています。
このため、服用した前後のことを一切記憶していない、記憶が飛ぶような状態になる場合もあり、そういった点からみても、服用は寝る直前、ベッドサイドで行うことが重要です。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の副作用(眠気・ふらつき・めまい)
また、ハルシオン錠(トリアゾラム)の服用後は「めまい」や「ふらつき」にも注意が必要です。
これも上記と同じ理由ですが、ハルシオン錠(トリアゾラム)の服用後は急速に睡眠に落ちやすいので、ふらふらとしやすい。
なるべくベッドのわきに移動してから飲むように心がけ、ハルシオン錠(トリアゾラム)服用後は一切作業をしないようにしましょう。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の副作用~筋弛緩効果
また、筋弛緩作用にも注意が必要です。
ハルシオン錠(トリアゾラム)を服用中は筋肉に力が入りません。筋弛緩作用があると言いますが、とにかくいろいろな作業が危険になります。
普段何気なく行ってきた「トイレに起きる」「寝っ転がる」などの作業が、ひどく急激な動作になりがちです。
ハルシオン錠(トリアゾラム)服用中はいつもよりも数段注意して行動するようにしましょう。けがをする可能性があります。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の副作用(睡眠障害)
これは逆説的なのですが、ハルシオン錠(トリアゾラム)を服用することで、睡眠の質が悪化する場合も指摘されています。
睡眠にはレム睡眠、ノンレム睡眠があるというのは何かで聞いたことあると思いますがハルシオン錠(トリアゾラム)はこのうちノンレム睡眠を妨害するといわれています。
このことにより深い眠りがとれず、翌朝起きた後も寝足りない感じになったりするのです。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の副作用~悪夢
また、ハルシオン錠(トリアゾラム)の服用をしたあと悪夢にうなされる人がいることも報告されているようです。
しかも鮮明な悪夢を見る場合があり、どういった理由かはわかりませんが、こういった場合にはハルシオン錠(トリアゾラム)の使用をやめて様子を見た方がいいと思われます。
心地よい睡眠を得るためにハルシオン錠(トリアゾラム)をとっているのに、そのせいでぐったり精神的に疲れてしまっては本末転倒ですので。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の悪用~デートレイプドラッグとしての使用に注意
ハルシオン錠(トリアゾラム)は物忘れを引き起こす可能性があることは先ほど書きました。
特にアルコールなどとの併用をすると服用した後のことをすっかり忘れてしまうことに繋がり、非常に危険だとされています。
ハルシオン錠(トリアゾラム)は超短時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、すぐに意識が飛ぶのでデートレイプドラッグとしても利用されやすい薬となっています。
こうした被害にあわないためにも、よほど信頼している人以外からは飲み物を受け取らない、飲み物が入っている状態で席を外さないなどの防衛手段が必要です。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の副作用(依存症)
ハルシオン錠(トリアゾラム)はベンゾジアゼピン系睡眠薬のなかでも最も強力な睡眠薬であることはさきほども書きましたが、当然、効果が高いということは依存症のリスクも高まるということです。
とくに、長期間の服用などをしていれば依存症の危険も高まってきます。
ベンゾジアゼピン系はそれまでのバルビゾール酸系よりも遥かに依存症の問題は軽くなっていますが、それでも依存症が起きてしまうのが睡眠薬というものです。
なお、そういった依存症の問題を軽減した非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬も発売されていますので、詳しいことは医師と相談の上で判断するようにしましょう。
なお、2017年には厚生労働省の方からも危険性の告知などがされています。
ハルシオン錠(トリアゾラム)を利用する際にはあわせて確認するようにしましょう。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の副作用(肝機能障害)
これはすべての薬に関して言えることですが、長く使用していると肝臓に対してどうしても負担がかかります。
ビタミン剤やミネラルなどのサプリメントでもそうです。食べ過ぎなどでも同様です。
特に高齢者が長期間服用する場合には、血液検査などを定期的に受けるなどして、肝臓の負担の推移をみていくことが大切になります。
なお、他にも副作用はありますので、詳しくはファイザーのホームページなどでご確認ください。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の副作用~黄疸
肝機能とも関係しますが、ハルシオン錠(トリアゾラム)の使用を長く続けていると肝機能には影響する可能性があります。
特に高齢者などにおいてその傾向は強く、注意が必要です。
あまりにもこの傾向が進みますと、黄疸などの症状に進行する可能性がありますので、そういった兆候が表れたときは医師に従って薬剤の使用を中止することも選択肢にいれ、行動していくようにしましょう。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の副作用~むくみ
なお、ハルシオン錠(トリアゾラム)を利用しているとむくんだようになることもあります。
これも肝機能との関係が疑われますが、とりあえず、こうした場合にも医師の診断のもと、服用をやめる方向で考えた方がいいと思います。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の服用で太る?
ハルシオン錠(トリアゾラム)の服用で太るということは、まず考えにくいと思います。
ただ、上記のようにむくんだ状態を「ハルシオン錠(トリアゾラム)を飲んで太った」と勘違いする可能性はあります。
ただむくんでいるだけなのに、太ったと勘違いするのは危険です。
とりあえずこの場合にも、医師に相談した方がいいでしょう。
少なくともハルシオン錠(トリアゾラム)には暴飲暴食を促すような副作用はないはずですし、カロリーも極めて低い錠剤ですので、ハルシオン錠(トリアゾラム)の服用で太ることはないと思われます。
サイレース錠(フルニトラゼパム)を持ち込めない国は多い
じつはサイレースに限らず、有効成分フルニトラゼパムを含む睡眠薬は多くの国で禁止薬物として登録されています。
日本ではサイレース(フルニトラゼパム)は麻薬及び向精神薬取締法、第2種向精神薬に登録されており、医師の処方箋さえあれば入手可能ですが、多くの国ではブラックリスト入り、禁止薬物だったりします。
これら、サイレース錠(フルニトラゼパム)を禁止している国に旅行する際などに持ち込もうとしますと、それだけで国外退去になってしまいます。
最悪の場合、留置所に拘留されたり、鞭打ちなどの実刑判決が下る可能性すらありますので、海外旅行の際にはサイレース錠(フルニトラゼパム)を持ち込めるかどうか、大使館などで事前にしっかりと確認しておくことが必要です。
(なお、旅行が好きな人などは旅行セットの中にいつも飲む薬を分けておいていたりする人もいたりすると思います。しかしそれは海外旅行では非常に危険です。ちゃんとその国ごとに何が大丈夫か確認する癖を付けたほうがいいです。)
サイレース錠(フルニトラゼパム)の各国の規制状況
アメリカ・・・フルニトラゼパムは医薬品として承認されたことがありません。旅行者が持ち込むためには証明書が必要です。
イギリス・・・NHSブラックリスト、処方禁止薬となっています。
アイルランド・・・フルニトラゼパムは非常に厳しい規制(スケジュール3規制)対象となっています。
シンガポール・・・処方箋なしに所有することは違法。薬物乱用法におけるクラスC・スケジュール2規制薬物
オーストラリア・・・覚醒剤や麻薬と同様にスケジュール8規制物質。無許可で一定量以上のフルニトラゼパムを所有することは罰せられる。
ノルウェー・・・2003年からスケジュール規制が強化。
というわけで、上記の国はもちろん、その他の国に行く場合でもなるべくサイレース錠(フルニトラゼパム)以外の睡眠薬を処方してもらって、旅行の最中はそれを服用するようにした方が良いと思われます。
フルニトラゼパムの件に関しては、大使館で情報を収集したのち医師の先生などと相談の上、しっかり対応策を練ってから海外旅行するようにしましょう。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の娯楽目的利用
ハルシオン錠(トリアゾラム)はアルコールとの飲み合わせ、モルヒネやコカインなど違法薬物との飲み合わせを試すような娯楽目的の利用もされてきました。
また、覚せい剤などの使用によって不眠になった人が強制的に眠るために使用したり、バッドトリップなど不安症状・悪夢の緩和のために使用されたりしたこともあります。
こうしたベンゾジアゼピン薬物乱用を受け、多くの国ではハルシオン錠(トリアゾラム)をはじめ、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の使用・所持を禁止しています。
関連:ベンゾジアゼピン薬物乱用について~フルニトラゼパム(ロヒプノール/サイレース)
旅行の際などには、自分の利用している睡眠薬が相手国で問題がないかどうか、きちんと確かめてから行動しましょう。
ハルシオン錠(トリアゾラム)による自殺
ハルシオン錠(トリアゾラム)の長期服用によって自殺衝動が増すことが報告されています。
精神的に追い詰められ、離脱できなくなるような場合も多いとされ、依存症との付き合いができなくなって自分を責めるような場合もあるようです。
ハルシオン錠(トリアゾラム)による自殺がおきないよう、周囲の人はしっかりと見守る必要があります。
ハルシオン錠(トリアゾラム)の致死量・致死性について
ハルシオン錠(トリアゾラム)は過剰摂取時に致死性の高い薬として扱われていますが、薬理的には致死性は低いとされています。
治療係数LD50/ED50比でみると、ハルシオン錠(トリアゾラム)の服用で薬理学的に死ぬのは数万錠を一気に飲んだ場合であり、現実的にそれほどの量を一度に飲むことはありえませんので、そういった意味では安全性の高い睡眠薬ということができます。
ただし、実際にハルシオン錠(トリアゾラム)を服用して死んでしまった例などもあり、それは薬理的な問題というよりも、たとえば大量のハルシオン錠(トリアゾラム)を飲んだことで低体温症になってしまったり、昏倒して頭部を強く打ちつけたことによって脳挫傷になってしまったり、長時間横たわっていたことによる横紋筋融解症(薬剤性挫滅症候群)、筋コンパートメント症候群、舌を飲み込んだことによる窒息などなど、物理的な要因による死亡が多いと言われています。
こうした点には非常に注意が必要であり、やはり、大量のハルシオン錠(トリアゾラム)の服薬は控えるべき、通常時の使用量の範囲に留めるべきということになります。
ハルシオン錠(トリアゾラム)についてまとめ
今回はベンゾジアゼピン系睡眠薬であるハルシオン錠(トリアゾラム)をみてきました。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、いまだに日本でよく処方される睡眠薬であり、とくにハルシオン錠(トリアゾラム)はそのなかでも非常に強い作用・副作用を持つ睡眠薬であると言われています。
ハルシオン錠(トリアゾラム)は効き始めはすぐ、半減期は約3時間程度となっている超短時間型の睡眠薬となります。
このため、つぎの日にハルシオン錠(トリアゾラム)を飲むときにも血液中にハルシオン錠(トリアゾラム)がほとんど存在していないことになり、使いやすい睡眠薬として広く普及しました。
しかしハルシオン錠(トリアゾラム)は依存症や娯楽用利用なども引き起こしており、その処方においては慎重さが必要な薬だと思われます。
とりあえず、用法、用量、使い方など、詳しいことは医師の先生としっかり相談し、決して自分勝手な基準で使用しないようにして、
医師に指示された量をしっかり使い切り、安全に使うようにしましょう。