スボレキサント(ベルソムラ)が効かないときは?~過覚醒状態では効きにくい場合も~
スボレキサント(ベルソムラ)は、オレキシン受容体拮抗薬に分類される新しいタイプの睡眠薬です。
これまで主流だったベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べて脳内報酬系にまったく作用せず、依存性がない(と言われる)ところが特徴的な睡眠薬になります。
2014年に日本で発売されてからかれこれ5年ほどたち、多方面での利用により症例も揃ってきました。
ベンゾジアゼピン系と異なり、高齢者の方に使用しても、せん妄などの問題が発生しない(と言われる)など非常に使いやすい薬であり、多くの医師が取り入れ始めています。
しかし、スボレキサント(ベルソムラ)がよく効く患者さんがいる一方で、あまり効きがよろしくない場合も少なからずあります。
今回は、このスボレキサント(ベルソムラ)が効きにくい場合はどんなときなのか、それを考えていきたいと思います。
スボレキサント(ベルソムラ)が効かない・効きにくいときは?
スボレキサント(ベルソムラ)が効かない・効きにくい時は、一言で言ってしまうとPTSDや高ストレス状態などで過覚醒状態にある場合といえると思います。
スボレキサント(ベルソムラ)には睡眠の質を向上させる効果の他、睡眠導入効果も少なからずあるとは言われていますが、実際にはやはり睡眠導入はハルシオン、マイスリーなどのベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に劣ります。
スボレキサント(ベルソムラ)はイライラ、ヒリヒリな状態、身体に痒みや痛みがある状態などでは眠りにつくのは難しいのが実情ではないでしょうか。
まずはそれら不安要素、ストレスのもと、痒みや痛みをとって、スボレキサント(ベルソムラ)が効きやすい状態に持っていく方が効果的と思います。
スボレキサント(ベルソムラ)が効かない・効きにくい理由~オレキシン受容体数は人それぞれ
スボレキサント(ベルソムラ)が睡眠の質を向上させる理由は、脳の覚醒を維持・促進するオレキシン受容体の働きを妨げることで、脳を睡眠状態に移行させていくところにあります。
しかし、このオレキシン受容体の数は人によって異なり、多い人もいれば少ない人もいる。
スボレキサント(ベルソムラ)の量が効きにくいのは、このあたりの事情も関係しているんじゃないかと思います。
(が、もちろん受容体の量なんてわかろうはずもなく・・・)
スボレキサント(ベルソムラ)とベンゾジアゼピン系睡眠薬との併用が効果的?
個人的には睡眠導入をスボレキサント(ベルソムラ)に頼るのは心もとないと思います。
やはり、ハルシオンやマイスリーなどベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系に頼るのがよいのではないかと思います。(超短期、短期がいいかなと)
しっかり睡眠をとっていれば徐々に過覚醒状態は解消されていくはずなんで、そのあとで徐々にベンゾジアゼピン系睡眠薬は減らしていったらいいのではないか、と思います。
スボレキサント(ベルソムラ)が効かないからといって、量を増やすのはやめた方がいい
スボレキサント(ベルソムラ)の量を増やすのは、個人的にはやめた方がいいと思います。
とにかく、翌日の午前中が怠いというか、ボケーっとして新聞も読みたくなくなります。
良く寝たなぁと感じるのに、まだねむたい。
眠たいけれど眠りたくはない、みたいな感じになります。
とりあえず、スボレキサント(ベルソムラ)は悪い薬ではないです。
使い方によっては非常に効果的だったりします。
問題が発生する確率は小さいですし、今後も使用量が増えていくと思います。