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ゲノム編集でエイズウイルス(HIV)の遺伝子を壊すことに成功~神戸大~

人体内のエイズウイルス(HIV)をCRISPRを用いたゲノム編集で破壊することに成功~神戸大~

 

ゲノム編集技術CRISPR/Cas9(クリスパーキャス9)を用いてHIVウイルスを破壊

ゲノム編集技術CRISPR/Cas9(クリスパーキャス9)を用いてHIVが増えるのに必要な2種類の遺伝子「Tat」と「Rev」を壊す道具を製造。

培養皿の中でHIVに感染した人間の細胞にこの道具を働かせると、HIVの生産をほぼ停止させることに成功したとのこと。

この技術は亀岡正典・神戸大准教授(ウイルス学)らが開発。

今後の課題としては、CRISPR/Cas9で作ったHIV破壊システムをどのようにターゲット細胞まで送り込むかが課題とのこと。

続きは以下をごらんください。

https://www.asahi.com/articles/ASL5L5DK6L5LPLBJ00C.html


HIV(ヒト免疫不全ウイルス/エイズウイルス)とは?

HIV(ヒト免疫不全ウイルス/エイズウイルス)とは、人の免疫細胞に感染することで、エイズ(後天性免疫不全症候群)を発症させるウイルスのことです。

HIVウイルスは非常に変異しやすいウイルスであり、ウイルスの表面にある抗原がほぼ無限大に存在するため、ワクチンによる治療は事実上不可能。

抗原が多様であるため、化学的な療法はほぼ無効。

特定の抗原をターゲットにしても、すぐに別のものに変異して生き延びることが予想され、長い間、不治の病とされてきました。

 

HIVウイルスの増殖

HIVウイルスが厄介なのは、とりつく先がヘルパーT細胞であるという点です。

ヘルパーT細胞はいわゆるリンパ球の一種であるT細胞のうち、B細胞や抗原提示細胞とともに抗体生産する細胞です。

つまり、マクロファージやキラーT細胞を活性化し、活動を活発化させる役割がヘルパーT細胞にはあります。

本来ならば異物やいらない老朽化した細胞などにむけて攻撃を促す、活発化させるヘルパーT細胞ですが、

HIVに感染すると、それは正常な細胞に対しても向けられるため、問題となります。

なお、HIVウイルスはすぐには発現しません。

長い長い期間、潜伏してヘルパーT細胞に感染を拡大させます。

これを無症候期と言いますが、この期間にも感染は続き

あるとき、いっきに活性化が進み、T細胞ごと破壊を進めてしまします。

これがAIDS期と言われる段階であり、これがエイズ、という状態です。

つまり、エイズはHIVウイルスにかかっただけの状態をさすものではありません。

その症状が出てはじめてエイズである、といえます。

(一般的にCD4+のT細胞が200/μl以下になると日和見感染などが起きやすくなるとのことです。)

 

今回のゲノム編集によるHIVウイルスの除去の研究は、すでにエイズを発病した人ではなく、あくまでも潜伏期状態の方に有効であろうものです。

 


ゲノム編集によるエイズ治療の可能性について

10年前にはエイズは絶対に治療不可能と言われてきました。

それが、近年の研究の成果で治療可能かもしれない、となってきています。

もはや治療不可能なウイルス性疾患はなくなるかもしれない。

そうしたときに、人類はなにを恐れて生きるのか。

いろいろと興味深くもあります。