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抗不安薬デパス(エチゾラム錠)の効果のピークと半減期、およびその利用法

抗不安薬デパス(エチゾラム錠)の効果のピークと半減期

 

 

デパス(エチゾラム錠)には、抗不安薬としての役割と、睡眠薬としての役割の二種類があります。

今回は抗不安薬としての利用を想定した場合のデパス(エチゾラム錠)の利用法と、効果のピーク、半減期の特徴、および他の抗不安薬との比較について書いていきたいと思います。

 

 

デパス(エチゾラム錠)の血中半減期

まず最初に、デパス(エチゾラム錠)の血中半減期(T1/2)ですが、およそ6.3時間となっています。

この短さがデパス(エチゾラム錠)は特徴的で、もし効果を持続させる目的であれば1日3回の服用が必要になります。

基本的に、依存症の発現には短い血中半減期のクスリを頻繁に利用することが影響しているとされますが、その点においてデパス(エチゾラム錠)は依存しやすい薬ということになります。

 

 

デパス(エチゾラム錠)の効果のピーク(最高血中濃度到達時間)

デパスの最高血中濃度到達時間(Tmax)は3.3時間となっています。

ただ非常に効果が出るのは早く、実際には数十分で十分に効果を実感できるはずです。

とくにデパス(エチゾラム錠)の効果のひとつである筋弛緩作用に関しては効果の表れが早く、このため、急な不安症状で筋肉が硬直した場合などに即効性を期待して使いやすい薬となっています。

 

 

デパス(エチゾラム錠)の効果の強さ

デパス(エチゾラム錠)は非常に強い抗不安作用と催眠効果を持っています。

また、筋弛緩作用についても十分に利用しやすい水準となっており、効き目の早さから利用しやすい薬になっています。

短期の抗不安剤との比較でいくと、グランダキシンやリーゼ、コレミナールよりも遥かに抗不安作用・筋弛緩作用が強く、睡眠にいざなう効果も強くなっています。

 

 

デパス(エチゾラム錠)の他剤と比べた利点・メリット

上記をまとめると、デパス(エチゾラム錠)には他剤と比べた以下のメリットがあります。

  • 作用までの時間が短く使いやすい
  • 筋弛緩効果が強く、暴れるなどした場合に使いやすい
  • 抗不安作用も強く、急激に不安を催した場合に使いやすい
  • 睡眠薬としての効果もあるので、抗不安とともに睡眠できる

基本的には、即効性をもとめて使うクスリであり、だらだら使うクスリではありません・・・が実際には長期間使用している方もいます。あまりいいこととは思えませんが。

 

デパス(エチゾラム錠)の他剤と比べたデメリット

これはメリットとも共通する部分があるのですが

  • 効き目が短く、すぐに半減期になる
  • 催眠効果が強すぎて、他の作業ができなくなる
  • 依存性が高く、長期の連用には不向き

ということになります。

デパス(エチゾラム錠)はとくに睡眠薬として使われるくらい催眠効果が強い薬ですから、これをどう評価するかでデパス(エチゾラム錠)を使うべきかどうか変わってきます。

もし仕事などで催眠効果がそこまで欲しくないのであれば、効果は弱くなりますが、グランダキシン、リーゼ、コレミナールなどの使用も考えていくことになるでしょう。

また、中期型の抗不安薬、レキソタン、ワイパックス、ソラナックスなどであればさほど催眠効果は強くないので、その意味では使いやすいかもしれません。

とにもかくにも、睡眠効果が強いことをどう評価するかにかかってくると思います。

デパス(エチゾラム錠)は服用後のふらつき、意識障害などがおきやすいので、ゆっくり休める環境でなければ危険です。

 

 

デパス(エチゾラム錠)の使用に関しては、以上のことを踏まえて主治医の先生とよくよく相談のうえで、しっかりと納得して判断することをお勧めします。